愛犬や愛猫を感染症から守るためには、予防接種が欠かせません。感染症は場合によって命に関わることもありますが、予防接種を行うことでそのリスクを大幅に軽減することができます。また、予防接種は病気の予防だけでなく、重症化を防ぎ、愛犬や愛猫の健康な生活を支える重要な手段となります。
今回は犬や猫の予防接種について、種類や目的、適切な時期とスケジュール などを詳しく
解説します。
■目次
1.犬と猫の基本的な予防接種の種類と目的
2.予防接種の適切な時期とスケジュール
3.予防接種に関する不安解消Q&A
4.まとめ
犬と猫の基本的な予防接種の種類と目的
【犬の予防接種】
<混合ワクチン>
犬ジステンパーや犬パルボウイルス感染症、犬アデノウイルス感染症などを予防します。一部のワクチンには、犬コロナウイルスやレプトスピラ感染症も含まれています。これらの感染症は致死率が高いため、予防接種が非常に重要です。
<狂犬病ワクチン>
狂犬病は法律で年1回の接種が義務付けられています。これは人獣共通感染症であり、人への感染を防ぐためにも重要です。
【猫の予防接種】
<3種混合ワクチン>
猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症を予防します。これらは、いわゆる「猫風邪」に関連する病気で、くしゃみや鼻水、結膜炎などを引き起こします。
<猫白血病ウイルスワクチン>
特に外出する猫や多頭飼いの環境にいる猫に推奨されます。
予防接種の適切な時期とスケジュール
<子犬・子猫の初回接種>
生後6〜8週齢から予防接種を始め、16週齢までに2~4週間ごとの間隔で複数回接種を行います。特に子犬や子猫の時期は免疫力が弱いため、適切なスケジュールで確実に接種を進めることが大切です。
<成犬・成猫の追加接種>
一般的には、年に1回の接種が推奨されます。ただし、飼育環境や感染リスクに応じて、1〜3年ごとの接種を選択することも可能です。また、抗体価を測定することで、追加接種の必要性を判断することもできます。
<季節性を考慮したワクチン接種>
狂犬病の予防注射は生後91日以上の犬を飼い始めた場合、30日以内に受けさせましょう。翌年以降は、毎年1回、4月1日から6月30日の間に受けることが法律で義務付けられています。
その他のワクチンは季節性の影響は少なく、獣医師と相談しながら最適な時期を選びましょう。
予防接種に関する不安解消Q&A
Q: 予防接種による副反応の可能性と対処法は?
A:ワクチン接種後に副反応が出る場合がありますが、軽度の場合がほとんどです。接種後、3日程度は体調の変化に注意してください。呼吸が荒い、顔が腫れてくる、フラフラして倒れる、意識が無いなどの状態は重度の副反応である可能性があります。すぐに獣医師に相談してください。
Q:予防接種後の注意点は?
A: 接種当日は、シャンプーやトリミング、激しい運動、長時間の移動を避け、静かな環境で休ませることが大切です。
Q:室内飼いでも予防接種は必要ですか?
A:完全室内飼いの場合、感染リスクは低いですが、飼い主様を介して病原体が持ち込まれる可能性があります。また、他の犬や猫と接触する機会がある場合も考慮し、獣医師と相談して判断しましょう。
Q:高齢の犬や猫の場合の注意点は?
A:高齢の犬や猫は免疫力が低下していることが多いため、健康状態を確認したうえで接種を行います。獣医師に相談し、体調やライフステージに合った接種計画を立ててください。
まとめ
予防接種は、愛犬や愛猫の健康を守るための大切なステップです。ワクチンの種類や接種時期は犬や猫の年齢やライフスタイルによって異なります。そのため、定期的な健康診断を受け、獣医師と相談しながら最適な予防接種計画を立てましょう。
健康で元気な愛犬や愛猫と過ごす日々をサポートするために、飼い主様ができることを一緒に考えていきましょう。
犬や猫、小動物(ウサギ、フェレット、ハムスター、鳥、ハリネズミ)など幅広い動物の診療を行う動物病院
『林獣医科病院』
住所:徳島県徳島市南島田町2丁目119-2